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上海市高温手当

Published on August 25, 2014 - 07:16 PM/ 0 Comments

毎年うだるような暑さが続く上海の夏ですが、今年は例年ほど気温の上昇が見られず、記録的な冷夏ともいえる日々が続いております。

それでも、毎年この季節になると、多くのお客様から「高温手当」(中文:高温津贴)についてのご相談を頂きます。オフィスワーク中心の企業にはあまり馴染みが無いかもしれませんが、毎年6月から9月にかけて、特に工場勤務の現地従業員と、雇用主である企業から大きな注目を集めるトピックです。

高温手当とは、炎天下での業務に従事する労働者に対して、企業が支給を義務付けられている特別手当を指します。その始まりは1960年公布の《防暑降温対策暫定弁法》(中文:防暑降温措施暂行办法)とされますが、同法の適用対象はごく限られた一部であったり、適用基準となる明確な気温も、企業の法的な責任も規定されておらず、注意喚起程度の役割に過ぎませんでした。

この法律はそれから50年以上も改正されないままでしたが、炎天下作業による死亡事故が増えたこと、労働環境や社会的環境の変化に対応できていないとの声が高まったこともあり、2012年、《防暑降温対策管理弁法》(中文:防暑降温措施管理办法)の公布を受け、廃止されました。

実はそれ以前に、2007年6月8日付で、《職場における夏季の防暑降温対策の強化に関する通知》(中文:关于进一步加强工作场所夏季防暑降温工作的通知)が中央政府から打ち出され、“最高気温35℃以上の露天作業者と、職場の気温を33℃未満にできない環境下にある労働者”に対して、使用者たる企業が高温手当を支給しなければならないと、初めて規定されました。

同時に、当該通知において、“高温手当の具体的な支給基準は省レベルの地方政府または労働保障部門が制定する”としたため、これを受けて上海市では2007年7月11日に《上海市企業の高温季節手当基準に関する通知》(中文:关于本市企业高温季节津贴标准的通知)を公布しました。当該通知は2011年に改正され、現在のところ、上海市では2011年の規定が適用されることになります。

では、上海市企業に課せられる高温手当支給の義務は、具体的にどのように規定されているのでしょうか。

 

《上海市企業の高温季節手当基準の調整に関する通知》
(中文:关于调整本市企业高温季节津贴标准的通知)
2011年7月11日公布

【条件1】
6月~9月の4ヶ月間、高温下の露天作業者と、職場の気温を33℃未満にできない環境下にある労働者に対して、1ヶ月あたり200元の手当を支給しなければならない

※2007年版では、露天作業者の場合は35℃以上という規定があったが、これが削除された。
即ち、気温に関わらず露天作業者には必ず支給しなければならない。
また、2007年版では支給基準が1日あたり10元だったが、1ヶ月あたり200元に調整された。
2007年版は、基準の気温に達した日のみ10元の支給だった規定が一律200元に調整されたため、労働者にとっては有利。

【条件2】
清涼飲料水を提供しなければならない

※高温手当200元からの控除は不可

 

判断が別れるケースとして、通勤時間の扱いはどうなるのか、クーラー完備の事務所作業と工場などの現場作業を兼任する労働者はどうすれば良いのか、4ヶ月間に欠勤があった場合の扱いはどうなるのか、などが挙げられます。

これらのご相談は当社まで直接お問い合わせください。執筆者の李彦成がお答えさせて頂きます。

地方ごとに基準が異なり、法的解釈が複雑な高温手当ですが、誤った運用をしてしまうことで労使紛争の火種となるリスクがあります。また、上述の《防暑降温対策管理弁法》の施行(2012年5月16日)から、同法に違反した企業の法的責任が明記されるようなり、最悪の場合は刑事責任まで負うことになります。

これらのリスクを回避するためにも、当社の持つデータベースとノウハウを是非ご活用ください。

***
執筆者:
李 彦成(リ・エンセイ)
HIKOYOグループの統括部長。遼寧省瀋陽市出身の中国朝鮮族。
3歳から22歳まで日本で過ごし、中央大学法学部を卒業後、2009年から上海に拠点を移す。
日中両国にバックグランドを持つ独自の観点から、中国ビジネスの客観的な分析を得意とする。

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